コンパクトオフィスで働く人たちのための家具ブランド

第5回 有限会社 nendo

2014.05.07
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~ofon のデザイナーnendoのオフィスヘお邪魔しました~
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有限会社 nendo

チーフデザイナー 佐藤 オオキ氏
従業員 20~25名
オフィスの場所 東京都目黒区・ミラノ

事業内容 デザイン事務所
インテリア、家具、プロダクト、グラフィックほか多岐にわたるジャンルのデザイン

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【チーフデザイナー 佐藤 オオキ氏インタビュー】

■仕事の広がりとともにオフィススペースを拡大

スタッフは、東京とミラノで20~25名程度。この数は状況に応じて増減があり、これまでに最大40名ほど在籍していた時期もあります。とは言え、はじめからこれほど大きく展開していたのではなく、nendoを設立した2002年は6名のスタートでした。多少変動はあったものの、2008年に現在のオフィスに引っ越してきたときも、まだ常駐スタッフは5~6名でしたね。単純に、仕事が増えればそのぶん作業スペースも必要になります。今のオフィスに越してきた当時は「こんなに広いところを借りて大丈夫だろうか」と心配したほどでしたが、徐々に工房として下の階を借り、さらに別の階を会議室に…という流れで、現在は同じビルの3フロアと屋上まで使っています。

■実家の車庫から始まったnendo

nendoはもともと、学生時代の友人や後輩たちと始めた会社。ですから創立当初は実家の車庫をDIYで改造し、パソコンと作業台を持ち込み仕事していました。しかし1~2年も経つと、さすがに車庫ではお客様を呼びにくく、近くのアパートに引っ越しを決めました。ちなみにそこは、取材や打ち合わせ中、肩に雨だれが落ちてくるほど古い建物でした。そのうち地方だけでなく海外出張の機会も増え、「羽田や成田空港、新幹線の便もいい品川の近くに行きたいな」と探している最中に、現在の物件に出会い、「いいんじゃない?」と入居。結局そのまま今日まで居付いてしまいました。
そんな感じで、会社の場所、社屋、インテリアについてはなんとなく無頓着に過ごしてきた僕たちですが、年を経るにつれ家具は増えていくし、しかもバラバラに買い足しているので雑然としていました。そこで今回、入居後初の本格リニューアルに取り組み、実は最近完成したばかりなんです。

■環境に依存できない日常

先ほどお話ししたように、僕たちのような小さなオフィスはプロジェクト規模で働き方が左右されます。例えば、大きなプロジェクトが入ると、たくさんの助っ人と作業スペースがすぐに必要となり、同時に家具、機器も増えてしまいます。では、そこでヒトやモノをどう整理するかというのも、ケース・バイ・ケース。トライ・アンド・エラーでやるしかないのが実際のところです。
さらに僕自身の働き方も、会社だけでなく自宅で仕事する日もあれば、月の半分は出張先のホテルにいることもあり、毎日のように違う場所で違う仕事をやっていて、ひとつの環境に依存できない日常を過ごしています。そこで、これらをベースにnendo新オフィスは、「メリハリ」をテーマに内装を考えてみました。

■はたらく空間とはたらかない空間を用意

いくら洗練されたインテリアを導入しても、放っておくと延々働いてしまうような空間では、新しい視点で良いものを創り出すのは難しいのが僕たち。今、せっかく贅沢にスペースを利用できていることですし、食事や読書でリラックスできるカーペット張りの休憩室を用意したり、模型の造作スペースも研磨の粉やスプレーの臭いが気にならないよう2部屋つくったりしてみました。

そして会議室は、できるだけニュートラルなイメージにしたかったので、白一色でまとめています。でも、今のnendoにとって「このカタチがベストと」思うだけで、また次第に部屋と家具の使い方も変わっていくんだろうなと想像はつきます…(笑)

■オフィスのプロ・コクヨファニチャーとの出会いで完成した「ofon」

そんなふうに、10年以上さまざまな試行錯誤を経て来た僕たちが、本当に欲しかったものを「ofon」では実現できました。この仕事は、オフィスまわりのプロであるコクヨファニチャーさんといっしょに進められたからこそ、より完成度の高い家具になったのではないかと思います。もちろんnendoの新オフィスでも「ofon」を導入し、デザインするときも無理をせず、使うときもスモールオフィスならではの無理のない使い方ができています。このように自然な流れで、プロジェクト開始から現在まで至ったのは僕自身とても幸せです。自分たちが使っていくうえで現状を精査し、将来的には「ofon」コレクションの成長にもつながるフィードバックができるだろうと期待しているところです。

■スモールオフィスにフィットする可変性が魅力

「ofon」は、その機能を決してユーザーに押し付けることなく身の回りの変化に柔軟な対応できる、可変性の高さがポイント。例えば、棚用の布製扉は、それをはずして扉だけをジョイントすればパーティションに変化しますし、収納に天板を載せればそのまま作業台になります。中でもおもしろいのは工具を使わずコインだけで連結、分解のできる「コイン・ジョイント」です。人手のない小規模オフィスでは、模様替えをしたくても作業に何時間も費やすなどなかなか難しく、それなのに、僕たちのようにプロジェクトごと体制を変化させなくてはならないシーンはありがちじゃないでしょうか。こうした「すぐ」「簡単」に対応できる連結部には、魅力を感じていただける方も多いと思います。

■業務は実践あるのみ!経験値を高めることが大切

まるで「ofon」のように変化を受け入れた結果、成長してきたのがnendoです。僕も仕事中は、可能な限り社員の個性を尊重するよう心がけてきました。同じプロジェクトでもデザイナーが違うとまったく別物になります。それぞれの能力を伸ばすことが、新たな世界を切り拓く要素なんです。ですからいつも、nendoにいるだれもが少しでも多く少しでも深く仕事に関わり、実践を通じて経験値を上げていくことが大切だと考えています。その過程には成功だけでなく、苦い失敗も待っているでしょう。そのすべてがいずれ本人の血となり肉となるのですから、恐れることはありません。

■休日はなにもしないでボーッと暮らす

会社では学校のように手取り足取り全てを教えている時間の余裕がないのが現実ですが、、そのぶん時間を見つけてコミュニケーションをとるように心がけています。そのため、ワークスペースには、「ofon」の収納とデスクに加えて、さらに別注のパーティションを配しました。これは、立ち上がればそばにいる人と言葉を交わせるし、座れば作業に打ち込める広さと高さを考慮したものです。僕が仕事をするうえで大事にしているのは、意識的に力を抜く時間をつくること。四六時中「いいモノをつくるぞ!」という緊張状態では、だいたいにおいて失敗します。あえてため込まず、空っぽの状態でいるのも大切なんですね。僕も休日には、あえて「なにもしない」んです。考えず、動かず、ボーッと暮らしています。

 

■nendoが将来ビジョンを持たない理由

「なにもしない」というのは僕個人だけでなく、ある側面では会社にも言えること。意識して力を抜くことは、仕事をするうえでも大切にしていることです。驚かれるかもしれませんが、僕たちの会社では、将来ビジョンでそれほど確固たるものはないのです。ただし、けっして場当たり的にふらつくのではなく、目標を設定しないことで自由な感性を最大限に発揮する、という意味。最終的にnendoはデザインの質を最優先に考える組織ですから、そのためのカタチの変化は、あってしかるべき。良いデザインを生み出すためには、流動的であることが大事です。そういう意味で、「ofon」でつくったオフィスがnendoの縦横無尽な活動に今後どう寄り添ってくれるのか、僕自身とても楽しみです。

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